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2008.11.28

I・M・A

愛媛から大阪へ帰るJALプロペラ機は、三連休の2日目だというのに満席だ。
すすれた機体の窓から見える風景はジオラマのようで現実感がない。
晴天の中、クモの下に見える四国山脈群は砂場の遊びを思い出すような出来映え。
小高い山々の山頂には、白々と雪を携えている。
季節は11月の22日になると、そんなものなのかと知ったふりをした。
目尻を横に引っぱれば本城直季のジオラマ風写真に仕上がる。
飛行機からの眺めは、まるで住んでいる世界が、とても小さく見えて。
 
「悩んだら、夜空の星を見つめてちっぽけな悩みにおさらばするのよ」
トーク番組の女優が軽々しく言ったこと、今深く照らし合してしまう。
 

数時間前までの出来事がうそであったかのように。

愛媛に降り立った目的は、お世話になったあの方の旅立ちをお見送りをしたかったから。
「ありがとう」という感謝の言葉とともに、「どうして...」と悔いる言葉とともに、棺に倒れる人たち。
葬儀に参列している人たちの深い悲しみを見ると、その方がどれだけ多くの愛を与え育んで、参列した人たちから愛され慕われておられたかが良く感じ取れるもの。
 
悲しみに包まれて、気持ちが沈み、身体の力しぼんだとしても、行き交う車や通勤のサラリーマン、ニュース番組や映画上映、おなかがすいたり、朝日は昇り沈み、草花は咲きやがては枯れ、祭りやイベントは月並みに訪れ、日常の連鎖には影響がなく、『今』が時として進んでいる。


今年、わたしの4人もの大切な人たちが旅立ちました。
 
 
『死』を見て『生』を感じる。
知を持ち、肉体に血が脈々と流れ、肉をなして骨を動かして生きているという意味を噛み締めて、今、ここに『生きている』と感じています。
 

 

 
昨日、井上雄彦さんの言葉を見つけました。
 
目の前に見えている今は
 
今の「い」も言い終わらぬうちに過去になる
 
ただ受容するだけの過去 
 
一瞬後の未来こそが今 
 
一瞬後の未来を見据えてこそ今に間に合わせていける
 
今を生きようと思った。 井上雄彦 <バカボンド29巻より>
 
 
心に染みました。
ありがとうございます、井上雄彦さん。

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